賃貸仲介専門の不動産会社は元手が掛かっていません。
基本的には、人件費・広告費・事務所代・駐車場代・リース代やその他の経費のみになります。(フランチャイズの加盟をしている場合は加盟料も掛かります)
不動産を仕入れる費用も掛からず、ただただお部屋を仲介するだけです。
大家さんとの取引で室内クリーニングやリフォームも請け負っているかもしれませんが、基本的には外注をしている不動産会社が多い為、自社での出費はございません。
元手が掛かっていない分、大切にしなければいけないものにしっかりと注力をしないと、時間が経つにつれて良くない方向に向かってしまいます。
そこで、賃貸仲介専門の不動産会社にとって大事なものを解説していきます。
賃貸仲介の不動産会社で大事なものは何だろう?
賃貸仲介の不動産会社を続けていく上で、大事な事って言われると中々考える事は無いかもしれません。
細々したものも含めると大事な事はかなり多くなってしまいますが、その中でも特に大事な事を3つに紹介致します。
賃貸仲介の不動産会社で大事なもの①人材
賃貸仲介の不動産会社を良く見て頂きたいのですが、若い社員ばかりで40代50代の方をあまり見かけないように思いませんか。
昔から賃貸仲介の不動産会社の離職率は高くその原因も明確です。
- 営業として雇われているで求められる売上も高い。
- 売れないと歩合やボーナスも低い。(売れても報酬は少ない)
- 労働時間が長く休みが少ない(時給換算すると怖い)
- 土日祝は休めない(家族・子供を作りずらい)
- 売上という責任を負わされているが給料が少なく割に合わない(一番多い原因かも)
- 店長より上の役職を増やせない(そもそも店長以外の役職を作る必要が無いし、店長以上の役職者の報酬も売上から捻出しなければならない)
- 昔から社員を使い捨てのように扱う(代えはいくらでもいるという圧がある)
- 人事が下手くそ(社員を駒のように扱う)
以上のような事が原因で社員が定着せず、毎月毎月無駄に広告費を掛けて社員募集をしている賃貸仲介の不動産会社が多いのではないでしょうか。
人材育成・社員の現状・社員の将来を軽視した考え方が根付いてしまっているのような気がします。
世間の流れ的に、社員を大切にするような発言をする社長や上司も多く見受けられますが、表面的で口先だけだと思っていた方が良いでしょう。
何年もこのような状況からあまり変化が無いことを考えると、上記のような経営をしなければ成り立たないような事業だという事だと思います。
長く働けるのは、若くして店長以上の役職に就きある程度の収入を得ている社員だけで、入社2~3年で辞めていく社員の方が圧倒的に多いでしょう。
社員が大切に扱われていないので辞めていく社員は、上司や会社に対する不満や恨みがあっても未練や後悔は一切ない方がほとんどです。
賃貸仲介の業界も、もっと稼ぐ事が出来てもっと社員を大切にする業界になってもらいたいものだとつくづく思います。
賃貸仲介の不動産会社で大事なもの②広告
どんな業態でも集客が下手だと売上に繋がらず社員も疲弊するだけです。
賃貸仲介の不動産会社では、SUUMO・ホームズ・アットホーム等の大手不動産サイトその他の不動産サイトに賃貸物件の情報を掲載したり、ホームページに賃貸物件の情報を掲載したり、Googleの口コミを増やしたり、SNSを利用したりと様々な広告を出して集客しています。
多くの賃貸仲介の不動産会社では、ただ単純に賃貸物件の情報を不動産サイトに掲載するだけではなく、新着の物件情報をいち早くサイトに掲載する事や、物件の綺麗な写真を多く張り付ける事は当然の事ながら、さらに動画やパノラマ写真を張り付けたりして他の不動産会社より目立させるよう努力していることでしょう。
また、どのエリアでいくらぐらいの賃料でどんな間取りの物件が一番閲覧されているか、または問い合わせされているかを分析しているはずです。
上記で書いた内容はどこの賃貸仲介の不動産会社でもやっている事です。
ただ、毎日、写真や動画やパノラマ写真等の質を維持しつつ、継続して新着物件の掲載の入れ替えを行えている会社は少ないのではないでしょうか。
物件情報をサイトに登録する・物件の写真を撮りに行くアルバイトを雇っている会社は可能だと思いますが、そうでない会社は物理的に難しいと思います。
物件の登録・写真撮影のアルバイトを雇っていない会社であれば、基本的に店舗のスタッフが行っているはずです。
日中にお客さんの接客や契約業務を行っているので、物件情報や写真撮影に出る事が出来ないなんて日も多いですし、店舗に配属されているスタッフは3~5人でその人数でシフト休を回しているところが多い為、人数が少ない中でそのような業務を行うのは22時23時位まで残ってやるしかありません。
定時の18時19時ぐらいまでの業務で考えたら無理でしょう。
優秀な営業マンが揃っているのであれば、店長がしっかりと指揮を執りスタッフに役割分担をさせる事で可能にはなりますが、それでも1店舗あたりのスタッフが少なく一人一人の負担が多い事に違いはありません。
店長が様々な広告媒体・口コミやSNSを利用して集客の為にかなりの熱量をもって取り組まなければなりませんし、それが出来ないと売上の上がり下がりが起きてしまします。
店舗を運営する上でかなり重要になるので、この事を真剣に考えていない上司がいたらヤバい会社だと思って間違いありません。
賃貸仲介の不動産会社で大事なもの③仕組
売上を安定して作る為に仕組み・ルール作りが大事です。
スタッフが辞めたり、入れ替わったとしても売上を落とす訳にはいきません。
貯えがある会社なら良いですが、賃貸仲介の不動産会社は自転車操業なので売上が無ければ給料や歩合やボーナスが払えないような事態にもなりかねません。
更には、そのような事態にさせた上司の無能さを露呈する事になり、会社での求心力はダダ下がり、組織の立て直しに時間が掛かってしまいます。
役割の分担を行い、1ヵ月・1週間・1日で誰がどんな仕事・仕事量を行って成果を出すのか、また、振り返りを行い修正をして1ヵ月後・1週間後・明日の成果を追求するのか、しっかりと考えスタッフに共有するという仕組みやルールを定着させ、ルーティンとして日々の業務を進めなければその店舗で働く人の負担が多くなるだけです。
前述した人材を大切にする事にも集客の業務を毎日行う事にも繋がる事なので、店長以上の人には仕組み作りルール作りをしっかりと考えてもらいたいものです。
賃貸仲介の不動産会社で大事なものは何だろう?(まとめ)
大事な事はまだまだ沢山ありますが、地域や会社によっても抱えている問題や大事な事や重要な事に違いはあるはずです。
社長や経営幹部の思い付きであれもこれも取り組むことは働く人の負担を大きくするだけです。
自社の強み弱みを良く分析して、何が必要なのか何を改善しなければならないのか何を継続すべきなのかを明確にしましょう。
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